「夢は金では買えない」昔は大人からそう教えられたものですが、今は違います。「お金がないと夢は叶わない時代」になりました。今回はキングコング西野亮廣さんの著書「夢と金」について要約したいと思います。
この記事でわかること
- 西野亮廣著書「夢と金」の内容は?
- 「夢」を叶えるのに「金」は必要?
- 人口減でも売り上げを上げる方法は?
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富裕層の生態系
希望を持つためには夢を語り、「お金」を学ぶ必要がある
今や先進国の中で自殺死亡率はワースト1位。大人の自殺動機は「健康問題」の次に「経済・生活問題」が出てきます。
犯罪の動機においても「生活困窮」が第2位で全体の25%に及びます。
日本人はお金が回らなくなったら自殺を選び、犯罪を選ぶ
残念ながらこれが日本の事実です。
今の大人は金融教育を全く受けずに育ちました。今の子供にみなさんはお金の教育ができるでしょうか?
お金の知識不足は人生に直結します。
飛行機に乗ろうとチケットを買おうと思った時こんなことを思ったことはないでしょうか?
「ファーストクラスなどの高い席も全て安い席にすれば多くの人が安く乗れるのでは?」
実はこれは大きな間違いです。
実際の例を挙げると「東京ーニューヨーク」間の飛行機、片道の座席料金は
- エコノミークラス 22万5000円
- プレミアエコノミークラス 39万7000円
- ビジネスクラス 64万6000円
- ファーストクラス 188万円
子供の頃「とんねるずの生ダラ」で石橋貴明さんと元プロ野球選手の定岡正二さんが海外に行く時、エコノミーで行くかファーストクラスで行くか対決してましたがこんなに値段違うんですね・・・
これらの座席が全て売れた場合売り上げは約9500万円になるそうです。このくらいの売り上げがないと飛行機をニューヨークまで飛ばせないということになります。
仮に全ての席をエコノミークラスにした場合、244席から351席に増えますが、この便の総売り上げは約7900万円で1600万円下がってしまいました。この不足分を客数(351人)で割ると一人当たり約4万7500円多く支払わないと飛行機を飛ばすことはできません。
これは舞台やコンサートにも当てはまることで高価格帯の席を作った方が安い価格帯の席もより安くできる仕組みになっています。
みなさんは「プレミアム」と「ラグジュアリー」の違いがわかるでしょうか?
著書の中での位置付けは
プレミアム・・・「競合がいる中での最上位の体験」
ラグジュアリー・・・「競合がいない体験」
車に例えるとプレミアムはBMWやベンツ、日本車だとトヨタのレクサスのような「動力性能」「静粛性」「環境性能」に優れる機能に意味のある役にたつ車
ラグジュアリーはフェラーリやランボルギーニなど最高時速350km/hやドアが縦に開閉するなど機能に意味しかない役には立たない車
となっています。
そして、プレミアム商品の値段を決めるのはお客さんでラグジュアリー商品の値段を決めるのはその商品を扱う売り手側です。
ラグジュアリー商品は機能と値段の相関関係が無いんですね
ラグジュアリー商品に価値を見出すにはどうしたらいいでしょうか?
プレミアム商品が「高機能」や「使い勝手が良い」商品だとすれば、ラグジュアリー商品は持っていることがステータスとなるような「夢」がある商品だと言えます。
そして、ラグジュアリーな商品は値段が一桁、二桁高く設定されています。
西野さんはこの「夢」を計算式にしました。
「夢」=「認知度」ー「普及度」
知っているけど持っている人がいないものほどラグジュアリーで「夢」がある商品です。
ちなみに、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画「モナ・リザ」は推定価格1000億円以上と言われています。それは全世界の人が知ってるがこの世に一枚しかないということで今の式が成り立ちます。
「モナ・リザ」=「80億人」ー「1枚」
ラグジュアリー商品を作るには認知度を上げ、普及率を下げる必要が出てきます。
西野さんはこれをやるために「すでに売れてしまった絵を宣伝する」ことでラグジュアリーな高級な絵を売っています。
演劇でもプロスポーツでもVIP席はどこにあるでしょうか?
最前列や野球場のバックネット裏ではありません。最後列や高い場所に設置されていることが多いです。
VIP席を購入するのは熱烈なファンではなくVIP席を「社交場」として利用する富裕層です。富裕層は時間単価も高いので身動きの取れなかったり興行の邪魔にならないように後方の見にくい場所にあることが多いです。
VIP席の本来の機能を売ると高く感じてしまいますが、飛行機のファーストクラス席のように高い席(ラグジュアリー商品)を買ってもらう人を作ることで全体的な売り上げも上がり顧客満足度も上がるのです。
コミュニティ
富裕層と言われる純資産1億円以上の人は日本には2.5%〜3%程度しかいません。お金持ちじゃない人に自分の商品を買ってもらうにはどうしたらいいでしょうか?
未来は予測不可能ですが一つだけ確実にわかっているのが「人口」です。日本の人口は確実に減っているのは日本人なら誰もが知っていることです。
日本向けに何かを売る場合、お客さんは確実に減っています。「たくさん売ることができない時代」にすでに突入しています。
同じ価格では売り上げが目減りすることはわかっているので150円の「おむすび」を300円で買ってもらうにはどうしたらいいでしょうか?
それは「自分たちの世界はインターネットによってどう変わったか?」を知る必要があります。
昔は「美味しいラーメン屋」や「少しでも家電を安く買える店」を知る方法があまりありませんでした。
それが今はインターネットでの口コミやECサイトで家電の値段を調べることが容易にできます。
そのためラーメンが美味しい店や家電の値段もほぼどこも一緒になってしまいました。これ以上ラーメンを美味しくしようとしてもほとんどのお客さんには伝わりづらく自分の店だけ値段を下げても情報が筒抜けのためライバル店も同じ値段になり利益が下がるだけです。
西野さんは「大切なのは見返りがある場所に資源(お金と時間)を正しく投資すること」と書いています。
先ほどのラーメン屋さんの話になるとすでに「98点」のラーメンを「99点」にするために資源を費やしてもほとんどのお客さんには違いがわかりません。
有識者に点数をつけてもらうまでには時間もかかりますし周りくどいですね。
お客さんは85点のラーメンを「美味しい(ハイスペック)」と感じるならばほとんどのお客さんはそのラーメンのスペックで満足してしまいそれ以上の技術はオーバースペックという自己満足です。
スマートフォンが出始める以前あらゆる携帯電話を開発していたメーカーは「軽さ」を競っていました。
1グラムでも軽く各メーカーは競っていて確実にオーバースペックの域に達していましたがそれでも各社計量化に励んでいました。しかしiPhoneの登場で全て駆逐されることになります。
オーバースペックは「社会的に無駄になる可能性を秘めている」尚且つ「お金にならない」ことを知っておいた方がいいと西野さんは書いています。
現代ではあらゆるサービスがハイスペックで、自分の商品を売るには「技術以外の何か」を提供する必要があります。
機能以外に何を売ったら良いのでしょうか?
それは「自分」です。
仮に3つのラーメン屋さんがあるとしてほぼ同じ値段と味とした場合にどうせお金を落とすなら知り合いのお店に食べに行こうと思いませんか?
商品を買う理由に「応援」という項目が入ってきます。
西野さんは「西野亮廣エンタメ研究所」というオンラインサロンを開き、そこにはお互い応援関係を作り互いに足場を固め、集客に成功しているそうです。
私も別のオンラインサロンに入ってますが名前も知らない同じ志の方とコミュニティ作ってお互いに仕事を発注したりしてますね。
僕の生まれた経緯もそこにあったりします。
商品を高く売るにはファン心理を学ぶ必要がありそうですね。
たくさんファンがつくように頑張りましょう
ファンは応援したい人なので値下げする必要もなし!
西野さんのマネージャーが海外でホテルに泊まった時のことです。
安くないホテルだったので泊まるのは3日と決めていた3日目のこと鍵を部屋に置いたままドアを外から閉めてしまい締め出されてしまいました。
フロントに行くと「本人確認」を求められパスポートを見せるとドアを開けてくれたそうです。
夜になると部屋の呼び鈴がなり出てみると「1日遅れてすみません。お誕生日おめでとうございます。」とケーキを持ってきてくれたそうです。
本人確認の時に出したパスポートでスタッフが昨日誕生日だったことに気づきすぐに買いに走ったようです。感動したマネージャーさんは延泊することにしました。
「正しいサービス」ではなく「惚れるサービス」を行ったことで売り上げが上がった実例です。
自分のファンを作るにはどうしたらいいでしょうか?
西野さんのキングコングもテレビに出始めた頃はライブに入れないファンが2000人二人を出待ちしていたそうですが、露出が増えるにつれてライブに客は集まらなくなり300席の劇場も埋められなくなっていました。
西野さんはファンがいないということは応援シロがないという結論に達しました。
デビューしたての芸人さんは劇場で腕を磨き、賞レースやオーディション、テレビの関係者に目をつけられテレビに出られるようになり認知度が上がるのが通常です。
そこまでの距離が「応援シロ」です。
「応援シロ」=「目的地」ー「現在地」
「目的地」と「現在地」を晒し続けることで応援シロを周囲に共有することでファンが生まれます。1回や2回じゃなくて晒し続けることが大事です。
まとめ
- お金に対する知識不足は人生に直結する
- プレミアムとラグジュアリーの違いを知ろう
- 機能は高く売れない
- ハイスペックを目指すのは大事だがオーバースペックに注意
- 自分にファンをつけることで商品を高く売ることができる
この後著書では「NFT」について書いてますが今回は割愛します。
えんとつ町のプペルもいまだに人気が高くさまざまな仕掛けを見せてくれる西野さんに今後も注目ですね!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
また次回をお楽しみに〜